視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)とは

視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)とは

視神経脊髄炎は、中枢神経における自己免疫性疾患の一つです。中枢神経には、脳、一部の脳神経、脊髄が含まれますが、この病気では、主に視神経や脊髄を中心に炎症が起こります。水チャネル蛋白であるアクアポリン4(aquaporin 4; AQP4)に対する自己抗体、AQP4抗体が病気のメカニズムに関わることが分かり、この病気の枠組みが広がり、neuromyelitis optica spectrum disorders(NMOSD)とも呼ばれています。

視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)の症状

女性に発症することが多く、30代後半から40代にかけて発症する時期のピークがありますが、比較的幅広い年代で発症がみられます。主な症状としては、視神経の炎症による目の見えにくさ、脊髄の炎症による手足の動かしにくさ、感覚障害、排尿・排便のしにくさ、の他、脳の深い部分にある脳幹と呼ばれる部位で炎症が起こった際には、嘔吐やしゃっくりが出ることもあります。感覚障害とは、触った感じがいつもと違う、シャワーの温度が分からない、びりびりとした痛みや電気が走ったような痛みなどがあります。視神経に炎症が起こった場合には、目の見えにくさに加えて、目の奥の鈍痛や目を動かすと生じる痛みを伴うことも多く、また、両方の目に症状が出る場合もあります。視神経脊髄炎では、上記のような症状が急に生じ、炎症の程度が強いために症状が重いことが多く、症状が残りやすいことも知られています。また、このような炎症が間隔をあけてまた生じることがあり、これを再発と呼びます。再発は前の炎症のエピソードと連なって生じることも多いですが、その一方で、比較的高齢になっても生じることがあります。

視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)の治療方法

視神経脊髄炎には上記のような特徴があるため、その治療には、起こった炎症を抑えるための治療と、今後新たな症状が出ないよう、すなわち、再発を抑えるための治療を長く続けていく必要があります。最近、再発予防に関連して、従来型の治療に加えて様々な生物製剤と呼ばれる治療法が国内で承認され、視神経脊髄炎の治療に使用できるようになりました。それぞれの治療の良いところ、気を付けるべきところ、患者さん一人一人の生活スタイルを考慮した続けやすさ、などから、主治医の先生と相談して治療方針を一緒に考えていくことが大切です。

様々な医療職や地域の医療機関と連携し、社会制度も活用しながら、患者さんが送りたい日常を送り続けられることが、私の願いであり使命です。

九州大学大学院医学研究院神経内科学 教授
磯部 紀子

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